【ドッグトレーナーが解説】犬の車酔いを防止する・治す方法は?
犬を遠い場所に連れていきたいときには車を利用すると便利ですよね。
ですが、人間に比べると犬は「車酔い」をしやすいので気を付けなくてはなりません。
そこでここでは、車酔いを「防止」する方法と、発生した車酔いに「対処」する方法を紹介していきます。 「犬の精神面」など見落としがちな部分についても解説しますね。
犬が車酔いするとどうなるの?
「そもそも車酔いをした犬にどんな症状が出るかを知らない」という飼い主さんもいると思いますので紹介します。
症状1:あくびが増える
車酔いの初期段階では犬の生あくびが増えます。
症状2:口をクチャクチャ鳴らす
これも車酔いの初期段階ですが、口をクチャクチャ鳴らすようなしぐさを見せます。
人間でも少し気分が悪いときにこのような行為をする人がいますよね。
症状3:落ち着きがなくなる
・妙にそわそわする ・小さく鳴く などの様子を見せる場合も犬の車酔いを疑うべきです。
症状4:よだれを垂らす
口をクチャクチャ鳴らすだけでなく、よだれを垂らしてしまう場合もあります。
症状5:よだれの粘度が上がる
車酔いがエスカレートして犬が気分の悪さなどを感じている場合は、単によだれを垂らすだけでなく、そのよだれがネバネバしてくる可能性があります。
この段階まで来てしまったら危険信号だと考えてください。
症状6:そして嘔吐する
症状1~5を複数経てから、嘔吐してしまう犬が少なくありません。
また、車酔いの影響で下痢をするワンちゃんもいます。 ちなみに、あまり前触れなく吐いてしまう犬もいますので気を付けてくださいね。
自動車に対する悪印象を持っている犬は車酔いしやすいです
そして、犬が一回車酔いをすると、「車は怖い」という印象を強く抱いてしまって、さらに車酔いをしやすくなる恐れがあります。 人間でさえ「この前車酔いしたことを思い出すだけで、気持ち悪くなる」ということがありえますよね。犬は人間に比べて心身が弱いですから、そういった状態になりやすいと言えます。
それでも犬を車に乗せたい場合はだんだん鳴らしていきましょう
「どうしても犬を車に乗せなければならない場面」というのは意外と少ないと思います。
必要ないのであればワンちゃんを車に乗せないというのも、選択肢の一つとして覚えておきましょう。
ただ、動物病院が遠距離にあったり犬と旅行をしたかったりする場合は、犬を車に乗せたくなるかもしれません。
その場合は、だんだんと犬を車に慣らしていきましょう。
・まずは車に乗せるだけ(エンジンもかけない) ・エンジンをかける ・短時間走る→走行時間や距離を少しずつ伸ばしていく などの方法を取れば、
犬は車酔いをしにくくなるかもしれません。
また、例えば「犬との旅行を計画していて、初めて車に乗せる」などという場合も、 上記のやり方でだんだん慣らしていくことをおすすめします。
車に乗せる前にできる犬の車酔い防止方法
続いて犬の車酔いを防止する方法を紹介していきます。 できる限りの対策をしてあげてくださいね。
寝不足状態の犬は車に乗せないようにする
睡眠不足は犬にとっても大敵となります。 これが人間であれば「前日早めに寝ておいて……」ということもできますが、犬の生活リズムを大きく変えるのはあまりいいことではありません。
ですから、「犬がしっかり目覚めたタイミングで車に乗せて出発する」という方針を採ることをおすすめします。
車に乗せる2~3時間前からは食事をさせない
胃の中にあまり消化できていない食べ物があると車酔いしやすくなりますし、嘔吐のリスクも上がります。
したがって、車に乗せる2~3時間前からは食事をさせないようにしましょう。
犬は基本的に1日2回しか食事をしない生き物ですから、対策としての難易度はあまり高くないはずです。
30分に1回は休憩する
人間からすると「休みすぎでは?」と感じるかもしれませんが、犬の場合は30分に1回くらいがちょうどいいです。
また、最初に紹介した「車酔いの初期症状」が発生したら、そのときはすぐに休憩することをおすすめします。
休憩では、 ・軽いお散歩 ・トイレ などをさせましょう。 もちろん特別な理由がない場合は、何も食べさせてはいけません。
車の中をできるだけ無臭にする
犬はニオイに敏感ですから、社内はできるだけ無臭にしておきましょう。
芳香剤などの「いいニオイ」も犬からすると不快かもしれませんから、とにかく「無臭」が基本です。
酔い止めの薬をもらっておく
「犬用の酔い止め薬」があるので動物病院でもらっておくといいでしょう。 ちなみに生後4か月から使用できます。
・車に乗る前に飲む ・車酔いしてから飲む という2種類の方針がありますが、獣医さんと相談して決めてください。
もちろん、より積極的に車酔いを防止するなら「乗る前に飲む」のがおすすめですが、 「薬なのだから、飲まなくて済むならそのほうがいい」という考え方もあります。
まとめ
※車の中にワンコがおりますが、写真はあくまでもイメージです。クレートに入れることを推奨しております。
犬の車酔いをケアする方法を紹介しました。
「酔ってからどう対応するか」という部分ももちろん大事ですが、それよりも「そもそも酔わないようにする」ために色々と対策してあげることが重要です。 意外と見落としがちな「車に対するトラウマを持っていないか」という点についても考えてあげてくださいね。